Netflixで配信されている韓国のサバイバルリアリティーショー「サイレン〜炎のバトルアイランド〜」の感想!
サバイバルリアリティーショー。ストーリーを脚本できない以上、かなりリスキーなタイプの番組です。面白くなるか面白くならないか、撮ってみないと分からない部分も大きいのではないでしょうか。
基本情報はこちら↓
製作陣のすごいなと思ったのは、下記4点です。
①ゲーム設定
②キャスティング
③カメラワーク
④編集
①ゲーム設定
これは言わずもがなだと思います。毎日1回行う基地戦のシステム、体を酷使してなんとかクリアできる難易度のアリーナ戦。どれも複雑なルールではないのですが、基地の作り、攻撃旗を取ると脱落するシステム、アリーナ戦で得られる特典等、どれも分かりやすく、かつ簡単には相手を倒せないシステムになっています。最初は手探りだった各チームも、だんだんとゲームの作りを理解し、作戦を立てていくあたり、シンプルで、でも勝ち筋を立てられる、いい塩梅のシステムですよね。アリーナ戦や最初の干潟のレースも、チーム全員で全力を出し切ってなんとかクリアできるレベルの難易度。見応えもありゲームとして破綻しないという絶妙なレベル設定。誰もクリアできなかったり、どこかが簡単にクリアしてしまっては面白くなかったと思います。かなり計算し尽くされたゲーム設定に脱帽です。おそらく何度かデモをされていると思いますが、準備に何ヶ月かかったのでしょうか…
②キャスティング
この番組が面白かったのは、間違いなく参加者のキャラクターのおかげです。現役の方も引退された方も交えたキャスティングだと思います。アスリートチームは、みなさんそれぞれ情報も分かった上で選定、スタントももしかすると過去の作品の繋がりでキャスティングされていたと思います(実際、Netflixの「今、私たちの学校は…」に出演されていた方もいました)。軍人のウンミもNetflixの「フィジカル100」に出ていたようですが、その他の方達のキャスティングはどうされたんでしょうね。女性消防士やSP、軍人等は少ないでしょうが、その中からこの番組に参加してくれる方、そして番組を盛り上げる動きができる方を選定するのは非常に難しかったのではないでしょうか。1人でも参加者が違えば、別の結末が生まれていたでしょうし、特に消防士のヒョナがいなければ、全く違う番組になっていたと思います。
③カメラワーク
リアリティーショーであるにもかかわらず、カメラワークに関するストレスは一切感じませんでした。何台のカメラがあるのか分かりませんが、大切な瞬間がきちんと撮れています。そして大勢いるはずのカメラマンは、ゲームの進行の妨げになっていません。それぞれの参加者につけられたカメラも、リアル感を出しています。6チーム24名、24時間を7日間、一発勝負で緊迫の瞬間も日常の一コマもカメラに収められており、音声もクリアです。島の構造を把握し、ゲームの展開を予想し、綿密に撮影計画がなされていたことが分かります。特に基地戦、潜伏するチームも多く、カメラマンが見つかることで潜伏に勘付かれるなんてことはもってのほかなはず。カメラマンの技術と製作陣の計画力に脱帽です。
④編集
7日間が10話(しかも1話30分〜60分程度)にギュッと凝縮された本番組。チームの動きに関して脚本は(おそらく)無しの中で、軍人VS消防士の構造をうまく組み上げ、ドラマのようなストーリーが仕立て上がっています。撮影素材とインタビューをうまく活用し、見ている人が飽きないテンポ感で進んでいく編集も間違いなくこの番組を面白くしている要素です。もちろん、撮影した映像のほとんどがカットされているわけで、私たちが見えない部分の様々なストーリーがあったはずです。この編集だから軍人VS消防士が強調されて見えるし、切り取り方によってはもしかすると全然違うストーリーに見えている可能性もありますが、正解の編集の一つと言えるのではないでしょうか。もし余裕があるのなら、アナザーストーリー的にあまり注目の浴びなかったSPなどの映像も見てみたいですね。
後は、お涙ちょうだいの編集になっていないのもいいですね。女性のリアリティって苦労話が出がちですけど、今回はそれが一切なくて、ただただこの島の中での戦いで構成されています。好感度が高い上に、番組に集中できるので、非常にいい構成だと思いました。
Netflixで見られる韓国のリアリティ番組って、本当に面白いですよね。ヤラセなんじゃないかってくらい、よくできてるなと思うこともあるのですが、今回の番組については素人が出演していて、感極まって涙を流す場面もありますので、ガチなんじゃないかと思います。このクオリティを作るのに、どれだけの下準備とどれだけのお金がかかっているんでしょうか。リアリティ番組は露骨に製作陣の技量が試されるところだと思いますので、エンタメ大国・韓国の凄さを実感しました。
私はこの番組がたまたまおすすめに上がってきて、公開から1年ほど経ってみたのですが、なぜそこまで注目を浴びなかったんだろうというくらい面白かったです。埋もれてしまっては勿体無い番組だと思いますので、ぜひいろんな方に見てほしいです。
推しチームはと言われると、最初は消防士でしたが、2度目に見ると軍人が好きになってしまいました。みんな全力なので、どのチームも応援したくなりますよね!
お休みの日に一気見はいかがですか?
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